◇テリヤキ◇

ドーモ、あごるんです。
ロード・トゥ・ドラゴン がサービス終了するということで、
最期のキャラ語りをしたい。 
基本的に全キャラクター(ラストカットインのあるキャラ)について語りたいと思っている。
どんなキャラクターでも一文以上の感想と、
「終わりの道」でのラストカットインを用意する。


米 注 米  

ただし、おそらくこれが最期の機会になるので語り記事には

・物理グッズ(サントラ、ラフデザ、公式データブック、ノッベル)の情報
・根拠のない想像、個人的な妄想、忌憚なき意見の数々
・性癖

などが大いに含まれる。はっきり言ってキャラクターの「最終的な考察」には
成り得ないので注意してほしい。
このロードラというゲームの中で自分の視点で見たキャラクターを
ありのままに語ることになる。極々、個人的な感想だ。

ユニット画像・ストーリー画像については色々と事情があって貼らない。
ストーリーがわからない場合はWikiなどを参照して欲しい。


もしこれらの記事を見る方がいればその点に注意してほしい。
前置きは以上。

この記事では フェンリスとグリムドア から

グリムディア
グリムドア
フェンリス
光フェンリス
闇フェンリス

[守王]フェンリス

光グリムドア
闇グリムドア


について。 

・グリムディア
グリムディア
幼い頃に両親に棄てられた少女。人が近寄ることのない、
人狼の森で暮らしている。グリムディアを拾い、育てたのは
その場所に生きる獣と人狼。人狼はグリムディアに人の言葉を教え、
グリムディアは獣と人、両方の言葉を操ることができるようになる。

彼女を育てた人狼の一人、ヴァナルはグリムディアが持つ狩猟本能を
見抜いていた。いつか、グリムディアが人狼たちを殺すことを。
だからこそ、いつかグリムディアが森を出て人の中で生きられるようにと
言葉を教えた。


後にグリムディアは悪名高き人狼を狩った、伝説の狩人として
人に恐れられるようになる。やがてグリムディアから人が遠ざかるのにも
時間はかからなかった。それでもグリムディアは構わず、
新たな獲物を求めて森へと消えていく……。


あごるん:グリムドアの祖母。グリムドアが幼い頃に
祖母と一族をある人狼によって滅ぼされている。
グリムドアの機械銃はグリムディアのものと同じ。

獣と人狼によって育てられたが、狩人としての本能を持つために
最期は殺し合う運命にある。しかし、グリムディアの側には人が
寄り付かなかったらしいが……彼女は誰の子を産んだんだ?

ストーリーには「命のやり取りは、人とはどうせ出来ぬのだから」
と書かれているがもしかして……そういう意味?


人狼ヴァナルは、北欧神話におけるフェンリルの別名、ヴァナルガンドから。
グリムディアはヴァナルの髪飾りを形見として持っている。
グリムディアとヴァナルが殺し合いをしたのか、それとも別の結果に
なったのかは不明だが、グリムディアにとってヴァナルが大切な者だったのには
変わりがないだろう。


・グリムドア
グリムドア
幻獣ハンターを生業とする少女。祖母から受け継いだ機械銃を持つ。
幼い頃にある人狼によって祖母、そして一族を滅ぼされており、
その復讐のためにこの職を選んだ。
ある神月の夜に凶暴化した人狼、フェンリスと交戦し強姦される。

恐怖を抱いたが、同時に狩猟者同士の戦いに愉悦を感じており、
フェンリスとの戦いを幾年にも渡り、繰り返した。
最終的にはフェンリスに勝利し、彼女を撃ち殺している。
どのタイミングかはわからないがフェンリスの子供である双子を産み、森からは姿を消した。


あごるん:後にどこへ向かったかは不明。
復讐よりも争いへの歓びが勝り、殺し合いを楽しんだ。
歪な絆ではあるがフェンリスに焦がれているような描写もあり、
最期は静かな刻の後に彼女を撃ち殺した。

彼女の産んだ双子にはある秘密があり……。


・フェンリス
フェンリス
世界で唯一、ドラゴンやモンスターと言葉を交わすことができる人狼。
心優しい性格であり、ドラゴンと人の共存という目的のために奮闘していた。
しかし、一年に一度、七つの月が空に浮かぶ「神月」の日だけは
記憶を失い、凶暴化してしまう。

火の時代の最初期、人と魂の結びつきがまだ完全ではなかったために
生まれた「失敗作」。雌雄両方の身体的特徴を持ち、また人格も雌雄両方を
持ち合わせていた。メイン人格に加えて、雄と雌の人格の三つの人格を持つ
多重人格者。


「神月」の日に凶暴化し、狩人の少女・グリムドアを組み伏せて強姦したことで、
雄の人格がその身体のほとんどを支配するようになる。
フェンリス自身はグリムドアに傷を負わせたことを悔やんでいた。
そんな時、フェンリスはもう一つの人格である雌の人格に気づく。

フェンリス[正統]

フェンリスはグリムドアへの罪悪感を抱いており、
グリムドアを雄の人格から護ろうとしている。
雌の人格はフェンリスへと同調し、グリムドアを護るという意志を尊重するが……。

雌の人格にとって大事なのは「母体」としてのグリムドアであり、
グリムドアが子供を産んだ後は始末しようと考えている。
フェンリスはそれに気づけたのか否か。
これについては後述する。 



あごるん:基本となる人格。雌雄に跨る身体的特徴を持つ彼女自身の
人格はグリムドアのことをどう思っていたのだろうか。

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フェンリスとグリムドアのストーリーの面白い(切ない?)ところは、
フェンリスのそれぞれの人格はグリムドアに対して考えていることは違うが、
グリムドアからすればフェンリスはフェンリス。狩りの標的でしかないこと。


・光フェンリス(雄の人格)
フェンリス光
「神月」の日に暴走したフェンリスがグリムドアを組み伏せ、
「純血(純潔)」を飲んだことで現れた雄の人格。
グリムドアへの支配欲で満ちており、暴力の恐怖によって
籠絡しようと考えている。
しかしその半面でグリムドアが栄養を摂っているかと心配もしている。
フェンリス[光]

暴力的な態度からは想像しにくいが、雄の人格はグリムドアへ深く想いを
寄せており、恐怖による籠絡は彼女を自分のつがいにするため。
つまり雄の人格はグリムドアを殺そうなどとは考えておらず、
目的は陵辱による支配。その後は歪な形とは言え寄り添おうと思っている。


あごるん:フェンリスとグリムドアの殺し合いの発端になったのは
雄の人格の暴行に他ならないが、雄の人格自身はグリムドアを
殺そうなどとは考えていない。むしろ、傾慕を露わにしている。
つまり、彼女と殺し合いをするとすれば……それは雄の人格ではなく。

「聖(性)獣王」。過激なアプローチでグリムドアを手に入れようとしている。
グリムドアの「腹の傷」は暴行の証。それが疼くということは……。


・闇フェンリス(雌の人格)
フェンリス闇
フェンリスと、その血を尊ぶ雌の人格。
人狼として覚醒したフェンリスに生まれたのは雌雄両方の人格だった。

グリムドアを雄の人格から護ろうとするフェンリスの意志を尊重する
姿勢を見せるが、雌の人格にとって大事なのは母体としてのグリムドア。
なので、フェンリスの子供が産まれた後は雌の人格にとってのグリムドアは
邪魔となる。そのため、子を産んだ後はグリムドアを殺そうと考えている。

フェンリス[闇]
フェンリスの人格の中で唯一、グリムドアへの殺意を持っている。


あごるん:「母性」という怪物。つまり、母としてのグリムドアを憎悪する。
フェンリスが父となり子を孕ませ、フェンリスが母として子を育てる。
それが雌の人格の「母性」の望む形でありそのためには母親となるグリムドアが
邪魔になる。故に憎悪し、殺す。フェンリスの人格の中で最も歪で
狂っているのが雌の人格である。

フェンリスから見た雌の人格は雄の人格を止めるための「協力者」だが、
それはグリムドアが子を為すまで……。
フェンリスのそれぞれの思惑はどう決着したのか。それは、
フェンリスとグリムドアの決闘の終わりを見れば判明するかもしれない。

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腹部から多量の血を流し落とすその獣は、彼女に笑みを向け
つまり、致命傷を負って自らが死ぬことを知りつつもグリムドアに
笑みを向けている。これはフェンリスの血を尊み、自ら子を育てようとした
雌の人格ではありえないことだ。

さらに「かつて獣が彼女に負わせた傷は、それでも疼きを止めはしない
これは古傷が痛む、という意味合いではなく「胎動」のことだ。
グリムドアはまだ妊娠した状態であり、子供は産んでいない。


雌の人格に必要なのは子供。産んだ後のグリムドアは殺すことに
決めているが、それまでに殺すわけにはいかない。つまりこの
殺し合いはフェンリス側が本気ではない。演じられた闘い、ということになる。
フェンリス、あるいは雄の人格が雌の人格の真意、グリムドアへの殺意に気づいたからこそ、
わざとグリムドアへと殺されたのではないか、というのが当ブロゴの考え。

子供を産んでいないグリムドアは雌の人格に狙われる理由はない。
にも関わらず闘いの形を取っているということは、他人格が主導したこと。
しかし他人格にはグリムドアへの殺意は勿論ない。だからこれは
演じられた決闘。


フェンリスか雄の人格。そのどちらかがグリムドアを守るために
わざと闘いを演じて、殺された。だからこそ、最期にグリムドアへと
「笑み」を向けたんじゃないだろうか。それができるのはグリムドア自身を
大切に想っていた二人のフェンリス、そのどちらかだけだ。


・双子のグリムドア
グリムドア光
グリムドア闇
グリムドア本人ではなく、グリムドアが産んだ双子の娘。
フェンリスとグリムドアが消えた森から数年後に発見された。
人狼であるフェンリスの血が混じっており、双子のグリムドアも人狼。

白のグリムドアは日中は人の姿と記憶を保っているが、夜になると
獣の姿になり、獣の間の記憶は忘れる。
黒のグリムドアは夜中は人の姿と記憶を保っているが、昼になると
獣の姿になり、獣の間の記憶は忘れる。


同じ森で、人の姿のグリムドアが狩りを行い、獣のグリムドアは逃げる……という
堂々巡りを双子で繰り返した。おそらく、お互いが姉妹の関係にあることを
この時の二人は知らない。後に咎人を捕らえる監獄の王であるヴェルと
出会い、彼女に使役されることになる。

監獄にいる時にヴェルに会いにきたクロノへと一斉掃射の挨拶を
かましている。時代は不明だが、どの時点かでヴェルの元から
クロノの元へと移ったことがライナスなどのストーリーから判明した。


帝国と王都の決戦が起こる以前、クロノのアジトにて
「番の咎持つ幼き者たち」の亡骸が確認されている。
おそらくは番の咎(人狼)である彼女たちだろう。


あごるん:ヴェルに出会った後の描写を見ると、お互いが同時に人の姿を取っていることから
人狼として成長したことで、人と獣の姿を自由に切り替えられるように
なったものと思われる。いまいち人狼の特徴は描写されていないので
わからないが、数千年を生きるだけの寿命の長さがあるのだろう。

最新のクロノストーリーにおいては彼女たちと思われる咎人が
死んでいるが……かつては殺し合っていた彼女たちが、
数千年を共に生きて死に場所を選んだのなら、それはそれで
幸せなことだったんじゃないかと思う。


[守王]フェンリス
フェンリス桃
木漏れ日の中、はしゃぐ声。黒と白との小さな頭巾が、互いを追いかけ笑い合う。
森の中に建つ小さな家。その大きな庭で、幼子たちは遊んでいた。
やがて、遊び疲れた二人が向かうは、側で見守るフェンリスの膝。
丸くなり、たちまち微睡む子供たちへと、彼女は穏やかな微笑みを向ける。
そしてその背を、赤い頭巾の彼女がそっと、音も立てずに優しく包む。
こうして四人は寄り添い合い、人里離れた静かな森で、永く、満ちたる刻を生きた。



あごるん:これが本当の女系家族か~。
フェンリスとグリムドアは、フェンリスがメイン人格ならどちらかと言うと
母、グリムドアが父っぽい。このストーリーの構図もそんな気がする。

個人的には光フェンリスも大好き。勿論、創作としてだからこそ
強姦などの経緯も含めて楽しめるわけだが。獣として、純粋に
彼はつがいを求めているんだよな。
そういう場合は彼が父で、グリムドアが母になる。


このストーリーはフェンリスの視点での「幸福な嘘」を描いている。
グリムドアにとってはまた違うよな。きっとグリムドアは歪だったとしても
正史であるフェンリスとの殺し合いの中で生を楽しんだ。彼女の祖母のグリムディアも、
人の営みの中では手に入らない充実を、森の中に見出した。

どれも自分の「本質」と向き合った結果。それは人道に反しているかもしれないが、
きっと尊い選択なんだ。