◇テリヤキ◇

ドーモ、あごるんです。
ロード・トゥ・ドラゴン がサービス終了するということで、
最期のキャラ語りをしたい。 
基本的に全キャラクター(ラストカットインのあるキャラ)について語りたいと思っている。
どんなキャラクターでも一文以上の感想と、
「終わりの道」でのラストカットインを用意する。


米 注 米  

ただし、おそらくこれが最期の機会になるので語り記事には

・物理グッズ(サントラ、ラフデザ、公式データブック、ノッベル)の情報
・根拠のない想像、個人的な妄想、忌憚なき意見の数々
・性癖

などが大いに含まれる。はっきり言ってキャラクターの「最終的な考察」には
成り得ないので注意してほしい。
このロードラというゲームの中で自分の視点で見たキャラクターを
ありのままに語ることになる。極々、個人的な感想だ。

ユニット画像・ストーリー画像については色々と事情があって貼らない。
ストーリーがわからない場合はWikiなどを参照して欲しい。


もしこれらの記事を見る方がいればその点に注意してほしい。
前置きは以上。

この記事では ダルタニアン伯爵月虹書館 から

ダルタニアン
ラウル


フルト
ファーゴ
オーヴォ
フォルン
クラリネ
ジョエル
[ ]ジョエル 
ジュエル


について。 

・ダルタニアン
ダルタニアン
書の出版を生業にして、一代で莫大な財産を築き上げた伯爵。
王都の発展のために惜しみなく財を出し、庶民のための施設から
軍備強化とその支援は多岐に渡った。しかし、ダルタニアンの真の目的は
王都の強化などではなく……。

ダルタニアンの信念は「未来は今を生きる者たちの為にある」というもの。
本来ならば存在しない者や死者を蘇らせる禁書の力が王都を守る現状を
彼は嫌い、彼と彼の組織は禁書館を探して全てを灰にするための計画を立てていた。


ダルタニアンは別の目的があって禁書館に侵入を考えていたジュエルたちと手を組み、
彼の養子でもあるラウルを禁書館に送り込む。
ラウルの働きもあって禁書館を燃やすことには成功するが、ユーリカとその従者は
生き残り、禁書館は再建される。計画は失敗の形となった。

17年後の王都においては公爵の座に上り詰めており、
かつての神でありながら王都の貴族界に舞い降りたヴァルト伯爵と
何かを為そうとしていた。


かつて「貴族の不正を暴く筋書きの冒険推理小説」を発売し、
それはなんのことのない内容だったが実在するある貴族を指しているように
しか見えず、その貴族の権威は失墜した。後にこの地に墜ちた貴族の嫡子である
ラウルを引き取り、養子として育てている。

その書は「真の復讐」を遂げた……とされている。


あごるん:旧主人公のストーリーを見れば分かるが、「禁書」による
英雄たちの召喚は大災厄までに行われるようになり、後にルカが
ユーリカから禁書館を受け継いでいる。
禁書自体が王都に知れ渡ることになるのは小説版以降の話になるはずだが、
それ以前から知っていたような様子でもある。
 
ラストカットインでもそうだが、D-Clubのほうのダルタニアンも
「彼女」と呟いており、彼にとって大切な何者かであろうことが分かる。
D-Clubのほうでは「この花園を、彼女に捧ぐ」という言葉を残している。
「彼女」とは誰のことなんだろうか。考えてみよう。


ダルタニアンのアクセサリーで判明しているが、ラウルの家を陥れた
「貴族の不正を暴く冒険推理小説」は真の復讐を遂げている、と言う。
つまり、ダルタニアンは明確な敵意を持ってその貴族を潰したということ。
ここから先は完全な妄想だが。

「彼女」は若い頃のダルタニアンの恋人、あるいは想い人。それを
貴族の権威を以って奪われた。あるいは何事かが起き、亡き者になった。
その復讐……であれば分かりやすい。


引き取ったラウルは捨て駒気味に使われて実際死んでいるので、
ラウルに対する愛情はないだろう。ラウルを引き取ることも、
また使い潰すことも復讐の一部だった、と考えることは出来る。

この花園を、彼女に捧ぐ」という言葉だけを見ればやはり
「彼女」は既にこの世を去っていそう。
D-Club自体、ダルタニアンが考えた物語……小説に近いものなのかもしれない。

勿論、彼の知らない人物もいることを考えればそのままダルタニアンが
考えた小説ではないのは間違いないが。あくまで、D-Clubという世界観自体が
ダルタニアンが考えた娯楽小説を元にしたもの、という可能性はある。
もしくはダルタニアンも含めて、後述する月虹書館にある「嘘」の禁書か。


・ラウル
ラウル
世紀の出版王であるダルタニアンが書いた、推理小説によって
権威を失くしたある貴族の息子。幼きラウルはダルタニアンの養子として
引き取られ、後に彼の組織の一員となる。

禁書館を抑える力を持つジュエルと手を組み、わざと
拘束されることで内部に入り込む。その後はクインテットと
共同戦線を張りながらランスロットを追い詰め、禁書館に火を付けた。


崩落する禁書館の中でユーリカを処刑しようと捜しまわりながら、
選ばれし者とランスロットと戦っていたが、焼け落ちた柱に
潰されて死亡。


あごるん:あれあれあれあれ~~!? でお馴染みの大人気キャラクター。
ホワイトデーで復活して良い夢を見せてもらっていたらしい。
こいつだけよくわからないまま灰にされてるラストカットインで笑う。

ダルタニアンの復讐に巻き込まれたときも幼い子どもであり、
彼自身に罪はなかったのだが……? 
割りと同情されて然るべき境遇からの、クッッソみたいな精神性!
どうしてこんな風に育ったの?


・フルト
フルト
知らない他人同士を組み合わせた「書」から生まれた。
結界を破壊する、「結壊師」という役割のために
訓練を続けていた。見知らぬ誰かの過去を継ぎ接ぎにした自らを
信じられず、無感情に生きていた。

同じように生み出された結壊師の四人と出会い、
楽器を練習し始めたことでフルトは夢を持つに至った。
クインテットが行う、五人のためだけの音楽。それをいつか大きく、
あまねく人々に聴いてほしいという願い。
しかし、禁書館での戦いの中で命を落とす。
フルート。


あごるん:五人の中では一番好きかもしれない。
目の前で癇癪を起こしたジョエルによってフォルンを殺されたことで
絶望してしまう。その後にジョエルによって解体された。
ジョエルがもっとまともな精神を持っていれば……。


・ファーゴ
ファーゴ
フルトなどとは真逆で、過去がなくとも「今」さえ楽しければ
その刻が宝で良い、という割り切った考えをしている。
彼が楽器を奏で始めたことが切っ掛けで、五人の結壊師は
楽団を始める。ファゴット。


あごるん:「今」が楽しければ過去も未来も関係がない。
そういう考えをしていたので、彼はクインテットが散るときも
後悔はしなかったんだろうか。
どう思っていたとしても仲間のことは大事だっただろう。


・オーヴォ
オーヴォ
生み出されてから、たった一人で生きてきた結壊師。
ある日連れてこられた他の四人を合わせて、主にクインテットと
呼ばれたことで彼は家族を得る。オーボエ。


あごるん:クインテットは全員、他の四人を得たことで
生きる意味を見出している。オーヴォは一番純粋で、
彼を孤独を救ってくれた「家族」さえ居ればよかった。


・フォルン
フォルン
自らを作り出した主であるジョエルを満足させるため、
ジョエルのストレスのはけ口となっていた少年。虐待によって
ジョエルが満足するなら、と反抗することもなかった。

ある日、他の四人から楽団に誘われる。一度はジョエルを理由にして
断ったが、フォルン自身の「心」が満ちたりてるのか? という質問に
対して知らず、涙が流れたのがフォルンの本当の答えだった。
ホルン。


禁書館での戦いの中、任を失敗したことをジョエルによって
責められ、終わらない暴力の中で息絶える。


あごるん:一番可哀想。「心」を求め、得たからこそ壊される。
ロードラで幾度となく見てきた光景ではあるが、いつも胸に来る。


・クラリネ
クラリネ
ジョエルが束ねることをやめ、見捨てた欠陥品の書から
生まれた。故に知識を持たず、記憶も持たない。
しかし時折聴こえる不思議な音が気になっている。

クインテットの中で最も早く、正確に音を奏でることができた。
クラリネット。

あごるん:書が不完全だから知能が少し足りない。ひらがな。
もしかしたら失くした記憶の中に音楽があるのかもしれない。
それがクラリネの音を上達させたのかも。


・ジョエル
ジョエル
ジョエルは生まれたときから病弱であり、外に出ることのできない
生活を続けていた。しかし、夜になると兄であるジュエルが
ジョエルが居る地下室へと訪れ、様々な話をしてくれる。
ただ、空が白み始めるとジュエルは連れて行かれてしまう。
その手足と首には鎖が巻いてあった。


後に病でジョエルはこの世を去る。兄であるジュエルは囚われて生活をしていたが、
彼を囚えていた者たちを殺して脱していた。
ジュエルはジョエルの生涯を、病気以外の全ての情報を自らに彫り込み、
自分の身体を「ジョエルの書」とすることで弟を蘇らせた。


兄であるジュエルの身体を借りる形で現世へと戻ったジョエルは、
兄から教わった書の作り方で五人の結壊師、クインテットを作る。
その名はジョエルがかつて兄から教わった「音楽」に関する言葉から。
しかし、ジョエルは生前で病弱でありまともな人生を過ごした経験がなく、
生き返った今も幼児的万能感が抜けない、歪んだ少年として二度目の人生を
歩んでいた。

ラウルと組んで禁書館を強襲するという計画は半ばうまくいったが、
突破された結壊師を知って癇癪を起こし、フォルンとフルトを自らの
手で亡き者とする。選ばれし者と交戦したことで傷を付けられ、
兄であるジュエルの身体を傷つけられたことで激高した。


あごるん:幼児的万能感……という言葉を使ったが、
病で外の世界を知ることなく、そのまま死んでいるから中身はほとんど
幼児のようなものだと思われる。幼いから、どこまでも残酷。
ジュエルに言わせれば「出来の悪い弟」だが、彼は強く当たれない。

生前、ジョエルがどれだけ苦しい思いをしたか。
何も知らないまま、外を知らないまま朽ち果てたことを彼が一番知っているから、
ジョエルを咎めたり出来ないんだろう。


・ジュエル
ジュエル
かつては何者かに囚われており、鎖で繋がれていた。
朝から夜までどんな目に遭っていたか、何を目的としたものかは不明だが
夜になると床に伏せるジョエルに会いに来て、色々な話を言い聞かせた。
ジョエルが病でこの世を去ってから、何人かを殺害した後に
自分の身体を「書」としてジョエルを蘇らせている。


ある「書」を求めて禁書館に侵入する必要があり、そのためにジョエルに
クインテットを作らせ、ラウルと手を組んだ。
目的の書を手に入れた後にジョエルが選ばれし者と交戦した際、
ジョエルを眠らせて本来の人格として現れ、少しばかり話をした。
「新世界で会おう」という大災厄を予見するような言葉を残している。


大災厄の後は「月虹書館」という書館を作る。禁書館に負けず劣らずの
蔵書数だというが、消えたり現れたりと不定で、幻のような館だという。
ジュエルは禁書館と同じように英雄の書を紡ぐが、その書の中の英雄は
史実通りの人生を歩まない。彼が書き記す物語は全てが
幸せな結末で終わる、嘘の書として綴られる。

書として綴られた英雄は書の中でその一生を繰り返し、また死ぬ。
その出来事に意味はない。ならば、書の中だけでも幸せな結末を辿るべき。
というのがジュエルの考えであり、月虹書館の全ての禁書の英雄は
幸せな結末を迎えている。残酷な真実か、幸せな嘘か。
そのどちらを求めるのか。ジュエルはかつて、選ばれし者に問うた。


あごるん:ジュエルはどういう境遇にあったのか。鎖で繋がれていたことを
考えると、奴隷……だろうか。もしくは彼自身に特別な力があり、
帝国のような非人道的な組織の元で力や知恵を使わされていたのかもしれない。
しかし、ジョエルが病死したことでジュエルが従う理由はなくなり、
彼はその状況を脱した。ある家族が殺されているが、ジュエルを囚えていた本人たちなのか、
またクインテットの「素材」になった人間たちなのかは不明。


ジュエルが求めていた「書」は詳細が明らかになっていない。
が、盗んだ後に「月虹書館」を建てていることを考えれば、
数多の英雄の書を書き記すために必要な……ううむ、表現が難しいが。
全ての書を記せるような、「目録」のような特殊な一冊だったんじゃないだろうか。

最初から英雄たちの書を模造できるのなら、ジョエルにクインテットのような
継ぎ接ぎを作らせる必要もなかった、と思う。


ジュエルとジョエル、マエストロ兄弟の最終的な目的はその
行き過ぎた兄弟愛から考えても、「二人で共に暮らす」ことだと思う。
ジョエルはジュエルの身体を乗っ取るような形で蘇っていて、
表裏一体のままでは彼らがそれぞれ別に生きているわけではない。

ジョエルはジュエルが表層に出ることを拒んでいた。
兄さんには時間がない」と発言していたことを考えれば、ジュエルの身体は
そのままではいずれジョエルのものになり、本来の持ち主であったジュエルの魂が
消えてしまう……というような事態になったのではないだろうか。

大災厄から17年が経過してもジュエルは無事に生きているので、
その問題からは脱したのか、あるいは17年ではまだ問題がなかったのか。


結局はわからないことだらけだが、マエストロ兄弟の目的は何よりも、
誰にも邪魔をされずに二人で生きる」ことだと思っている。
そのための月虹書館だったはずだ。ジュエルは禁書の力を強く識り、
為さねばならないことがあった。


・[    ]ジョエル
ジョエル白
何も記されていない、ジョエルの姿をした書。
それが示すのはジュエルの苦悩。

ジュエルは禁書の中の英雄たちを憐れみ、せめて書の中では
幸せな結末を辿ることができるようにと、嘘の書として記した。
残酷な真実」か、「幸福な嘘」か。かつてのジュエルの問いは
選ばれし者に投げかけられているものではなく、
自問自答にほど近いものだった。


ジョエルの書を用意しておきながら、その中身は空白のまま。
ジュエルにとっての「残酷な真実」はかつて病でこの世を去ったジョエルだ。
それはどう足掻いても、自分の身体を最愛の弟へ渡してまで蘇らせても。
嘘を積み重ねても、変わることはない。

ジュエルは「幸福な嘘」を書き込むために空白のジョエルを用意した。
これまで記してきた、英雄のように。書き記すつもりだった。
しかし、重みが違う。英雄の生はジュエルにとっては他人事だ。
他人事だから、無責任に「幸福な嘘」を記せる。ジュエルは違う。
最愛の弟は確かに死んだ。病気で。呆気なく、外の世界を知る前にこの世を去った。


その事実を覆すことはできない。それでも、弟が幸福に暮らす「」を
記せるのか? ジュエルはずっと自問自答を繰り返してきた。
そして。

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草原を食む緑が眩しい。そのただ中に建つ一軒家に、或る兄弟が住んでいた。
帰着早々此度の旅を、熱く語るは弟の口。
それを聴きつつ書の項を捲り、静かに記すは兄の左手。
陽に照らされた二人の顔は、等しく笑みに溢れていた。
そして兄と弟は、永く満ちたる刻を、決して離れず共に生きた。



ジュエルの出した答えがこの形。
汚れた服と、擦り切れた足。
ジョエルが旅へ繰り出し、その冒険譚をジュエルは聴く。
決して起こり得なかった、「幸福な嘘」の結末。

愛するが故に「残酷な真実」を見据えてきた。
本当の人生を知るからこそ結末を書けなかったジュエルが、
最期に出した答え。


ただ二人で幸せに生きている姿を描きたい。
それがでも構わない。


マエストロ兄弟は悪行にも手を染め、クインテットという
命をその手で造り、その手で壊した。その罪は消えない。

しかし、ジュエルは彼なりにジョエルと向き合って、
兄弟としての二人の理想を描いた。それは尊ぶべき信念だ。
せめての中だけでも、彼ら兄弟が幸せであることを祈りたい。 


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そしていつか全てがなくなっても。
願った想いはにはならない。